東京五輪の遺産「晴海フラッグ」が完成!防災士の目で見た課題とは

2020年東京オリンピック・パラリンピックの選手村跡地に誕生した大規模マンション「HARUMI FLAG(晴海フラッグ)」。約18ヘクタールの広大な土地に、総戸数5,632戸(分譲4,145戸・賃貸1,487戸)が建設された、国内最大規模の分譲マンションプロジェクトです。
すでに完成・街として稼働しています
板状棟への入居は2024年1月19日から始まり、タワー棟「SKY DUO」は2025年9月19日に竣工し、約1万2,000人が住む街として完成しました。 Wikipedia
商業施設「ららテラス晴海フラッグ」(三井不動産)も2024年3月にオープンし、小学校・中学校も2024年4月に開校。公園・保育施設・図書館なども整備され、一つの「まち」として機能しています。
販売の人気は驚異的で、抽選倍率は販売期を重ねるごとに上昇し、最も人気の高い住戸では266倍にも達しました。 Livable
価格はどうなったか
当初の販売時は周辺相場より2〜3割安いとされていましたが、投資目的での部屋購入が制限されていたにもかかわらず、分譲2,690戸のうち約2割にあたる491戸が賃貸・転売目的で使われていることが2024年5月のNHKの取材で明らかになりました。 Wikipediaタワー棟最上階の角部屋は約3億4,900万円で販売されるなど、当初の「一般向け」とはかけ離れた価格水準になっています。
防災士の立場から見た課題
住まいの専門家として、いくつかの点を指摘しておきたいと思います。
① 埋め立て地の液状化リスク 晴海地区は大正時代から埋め立てが始まった土地です。建物自体は岩盤まで杭を打ち込んだ免震構造で建設されていますが、周辺の道路や地盤は地震による液状化で使用できなくなるリスクがあります。
② 孤立リスク 晴海地区へのアクセスは橋に頼っています。周辺地域が浸水した場合、橋が通行できなくなり、住民が孤立する可能性もゼロではありません。ハザードマップを事前に確認しておくことが重要です。
③ 高層階の長周期地震動 50階建てのタワー棟で特に怖いのが「長周期地震動」です。地震の揺れがビルの固有振動と共振すると、非常に大きな揺れが長時間続きます。南海トラフ地震では揺れ幅が4〜5メートルになるとも言われており、冷蔵庫や家具が飛んでくる危険があります。高層階に住む方は家具の固定や作り付け収納への切り替えなど、しっかりとした対策が必要です。
オリンピックの良いレガシーとなるために
国民の税金を活用したこの事業が、本当に住まいを必要としている人に届き、地域に根ざした活気ある街として発展していくことを願っています。
市民住まい向上委員会では、住まいの防災対策や住宅購入に関するご相談を承っています。お気軽にお問い合わせください。
『一般社団法人市民住まい向上委員会 矢野克己』


